石井 伸明 院長(石井歯科医院)のインタビュー

石井歯科医院 石井 伸明 院長

石井歯科医院 石井 伸明 院長 NOBUAKI ISHII

昭和53年に『日本歯科大学』を卒業、その後同大学院で4年間学びを積む。大学院卒業後は1年間研究室に在籍し更に経験を積みつつ、東京の歯科医院で勤務。父から医院継承する形で昭和60年に『石井歯科医院』に入り今に至る。(横浜市営バス 「仲ノ町」バス停下車 徒歩2分)

石井歯科医院の歴史と地域密着型医療の取り組み

 私が歯科医を志した背景には、父の姿が影響しています。父は開業医として、地域に根ざした医療を提供しており、その姿勢は私にとって模範でした。昭和53年に『日本歯科大学』を卒業し、その後同大学の大学院に進学して4年間の専門的な学びを深めました。大学院修了後は1年間研究室に残り、探求を続けました。その後、東京の歯科医院に勤務し、実践的な技術を磨いた後、昭和60年には家業である『石井歯科医院』に戻り、診療に従事することとなりました。当医院は昭和30年に私の父が開業した医院で、現在まで70年以上の歴史を誇る地域密着型の歯科医院です。父は70歳で引退しましたが、私は父の意志を引き継ぎ、地域の皆様に信頼される歯科医療を提供し続けています。

丁寧な診療と分かりやすい説明を大切に

 私の診療におけるモットーは「丁寧な診療」です。特に、患者さんへの説明には細心の注意を払っています。歯科治療は、専門的な知識や技術が必要なため、患者さんにとっては理解しにくい部分も多いと感じています。そのため、私たちは診療の際に、資料や写真、レントゲンを活用し、視覚的に分かりやすく説明するよう努めています。さらに、デジタル技術の進化により、治療の過程や結果をリアルタイムで患者さんにお見せできるようになり、理解が深まるとともに安心感も高まっています。医院では、常にiPadを使用し、モニターを使って診療内容をわかりやすく提示しています。これに加えて、光学印象を取り入れたことにより、より立体的な画像を使った説明が可能になり、患者さんにとっても視覚的に分かりやすい説明ができるようになりました。また光学印象を導入したことで、従来の印象材を使った方法に比べて、患者さんの負担が大幅に軽減されました。かつては印象材を口の中に入れて撮影する際、患者さんが不快に感じることが多く、治療への抵抗感もありました。しかし、光学印象の導入により、患者さんは口腔内の違和感や不快感から解放され、治療期間も短縮されるなどのメリットが生まれています。さらに、この技術は感染症対策にも効果的で、スタッフにとっても安心して業務にあたる環境が整いました。新しい技術を取り入れることにより、初めのうちはスタッフの負担が増えることもありましたが、結果として時間の有効活用ができるようになり、他の業務に集中できるようになりました。こうした新旧技術のバランスを大切にしながら、患者さんにとって最適な治療法を提供することを心がけています。

来院される患者さんの特徴と地域に根ざした診療

 『石井歯科医院』には、長年にわたり通院されている高齢の患者さんが多く、70代でも「若手」と言えるほどです。地域に根ざした診療を続けてきた結果、父の代から通ってくださっている方が多く、30年から40年という長い付き合いの患者さんも少なくありません。特に、定期的に来院される患者さんの中には、治療が必要ない場合でもお話を楽しみに通ってくださる方も多く、診療だけでなく、地域のコミュニケーションの場としても機能しています。また、当医院には訪問診療のご要望も多く、通院が難しい患者さんにはこちらから訪問して診療します。80歳や90歳を超えても通院されている方が多く、地域の皆様が健康に対する意識を高く持っておられることを実感しています。子供の患者さんに関しては、妻が担当する『石井こどもの歯科』があり、こちらで診療しています。お子さんが成長し、乳歯がすべて抜ける頃になると、当医院で診療するようになりますが、中には子供歯科が気に入って20歳近くまで通い続ける患者さんもいます。このように、患者さんの年齢に応じた柔軟に対応しており、地域の皆様に寄り添った診療を心がけています。

治療に対する悩みと挑戦

 親知らずの抜歯や歯周病治療に関しては、近隣の歯科医院で対応できない場合、当院に相談に来られる患者さんが多くいらっしゃいます。特に、歯周外科手術は患者さんにとって負担が大きく、痛みを伴うため難しい治療ですが、将来的な予防効果が高く、患者さんの健康を守るために必要な治療と考えています。歯周外科手術では、歯肉を一旦剥がして内面を磨き、歯肉や骨を整形したり移植をしたりしてポケットの深さを浅くすることで、歯周病の進行を防ぎます。この治療を行うことで、長期間にわたり健康な歯を維持できる可能性が高まります。しかし、この手術は一時的に痛みを伴い、費用や時間もかかるため、患者さんにとっては大きな負担となります。治療を選択する際には、しっかりと説明して納得していただいた上で進めるようにしています。また、見た目には大きな変化がないため、手術の恩恵を実感するのは数年後となる場合が多く、患者さんにとって理解が難しい部分もあります。それでも、将来的な健康のために必要な治療であると確信しており、患者さんのために最善を尽くしています。

地域との深い関わりと目指す未来

 私たちは、地域の幼稚園との連携を深め、八幡橋幼稚園と育美幼稚園、妻が担当する根岸幼稚園などで定期検診を行なっています。今後は、外科手術が必要ないような状態を目指し、定期的なメンテナンスにより患者さんの健康を維持する予防に力を入れていきたいと考えています。痛みを伴う治療を避け、皆様が長く健康な歯を保てるよう、これからも全力でサポートしていきますので今後ともよろしくお願いいたします。

 

※上記記事は2024年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

石井歯科医院 石井 伸明 院長

石井歯科医院石井 伸明 院長 NOBUAKI ISHII

石井歯科医院 石井 伸明 院長 NOBUAKI ISHII

  • 出身地: 横浜市磯子区
  • 趣味: 鉄道模型、野生動植物の観察
  • 好きな音楽: クラッシック
  • 好きな本: 回答なし
  • 好きな言葉: 動機善なりや、私心なかりしか、その問いを忘れず
  • 好きな映画: 回答なし
  • 好きな場所: 八ヶ岳近辺の山

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