曽根 直紀 院長（曽根歯科医院)のインタビュー

磯子区岡村で歯科医院を開業して30年以上。これからも地域のために

　私は父（曽根 健夫 歯科医師）の後を受けた当院の二代目です。したがって、歯科医師を目指すことは最も身近な選択肢でしたが、その選択をするうえで背中を押してくれる一冊の本がありました。学者であるラマチャンドランが書いた『脳の中の幽霊』という、様々な脳科学の実験について分かりやすく解説されている本です。大学入学前のオープンキャンパスで、医療に興味を掻き立てられるような本を紹介してくださる先生に出会い、この本はその時に教えていただきました。

　こどもの頃から、父の勤務する姿勢を見て家族ながらにスタッフに恵まれているということを常々感じておりました。当院のスタッフの中には、30年以上勤務してくださっている方もいます。私が幼稚園に通っている頃から知っている、家族のような存在です。歯科医師になりこの医院を継承するということは、これまで支えてくれたスタッフを含めて継承するということになります。これもまた、歯科医師を目指そうと思った大きな動機のひとつです。

お子さんからご高齢の方まで。一生涯をサポート

　患者さんは老若男女、小さなお子さんからご高齢の方まで幅広い層の方にご来院いただいております。近隣にお住いの方がほとんどなので、その意味では、一次医療の受け口としての役割を果たせていると自負しています。当院は、本年から診療時間を変更いたしました。開院時間は9時半から9時に、閉院時間を19時から18時にしました。土曜日はこれまで訪問診療を優先していましたが、現在は院内での診療を中心としています。訪問診療については、平日を中心に行い、これまで以上に力を傾けてまいります。治療というよりも摂食嚥下の評価を基軸とし、お口の中の衛生管理をしっかり行います。

当たり前のことを当たり前に

　「当たり前のことを当たり前に」ということが当院のテーマのひとつです。町医者として、非常に高度なものを求められているとは思っておりませんし、当院の分を超えるニーズがありましたら、適切な医療機関に責任を持ってご紹介しております。その際、審査・診断を誤らないことが重要です。また、コロナ禍以降、世の中全体の感染に対する意識がぐっと高まってきたと思われますが、歯科にとっても良い意味でハードルが上がったと感じており、当然のこととして、今まで以上に衛生管理に力を注いでおります。

　「当たり前のことを当たり前に」の中には、治療はもとより、患者さんへの説明も含まれるというのが私の考えです。そのため、特に初診時には十分に時間を設け、どのような治療がなぜ必要なのかをしっかりと丁寧に説明しております。その際に用いるのが、ビジュアルマックスと呼ばれるソフトです。これは画面上で、お口の中の写真やレントゲンの画像に直接書き込むことができますので直感的に分かりやすく、口頭だけの説明では頭に入りづらいものも、イラストや動画が入ることで患者さんの理解の促進に役立っております。

お子さんのお口の健全な発達にも貢献していきたい

　プライベートな話で恐縮ですが、私も一児の父親として自分で子育てをするようになり、小さなお子さんを抱えたお母さんやお父さんの悩みや要望を、それ以前と比べ、より理解できるようになりました。昨今、お子さんのむし歯は減っています。そのことにより、お子さんの口腔機能の向上に皆さんの目が向いてきていると感じています。具体的には、唇や舌の使い方や、飲み込むといった機能です。癖の改善や床矯正などでお口の機能を健全に発達させることが可能となります。全身の発育のためにも今後力を入れて取り組んでいきたいと思っています。

地域のみなさんへメッセージ

　ひと昔前の歯医者さんは「痛くなってから行くところ」でした。今はそうした時代ではなく、健康を維持するために活用してゆく場所になってきました。従来からのニーズに応えるのは当然のこととして、時代のニーズに合わせて柔軟に対応できる歯科医院を目指していきますので、お困りごとがあれば是非ご相談ください。父が曽根歯科医院を興してから30年以上の月日が流れました。地域の方に支えられて、これまで継続できたと思っております。その歴史は当院の財産です。今後も地域の方々に必要とされる医院であり続けるために、不断の努力を続けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

※上記記事は2024年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。