浅見 靖 院長（アサミ歯科クリニック)のインタビュー

患者さんが納得する歯科治療を目指して

　私は、福島の医療系の家系に生まれました。兄も医師として働くこの家系の中で私も自然に医療の道を意識するようになりました。しかし、幼少期からどこかその流れに反発したいという気持ちも抱いており、医師という職業に対して尊敬の念を抱きつつも、私は違う分野で自分の道を切り開きたいと考え、最終的には歯科医師としての道を自ら選びました。歯科医師として私が日々心掛けているのは、患者さん一人ひとりの声に耳を傾け、本当に望んでいる医療を提供することです。医師としての判断を押し付けるのではなく、患者さんが納得し、安心して治療を受けられるようにすることを大切にしています。例えば、歯の状態が悪くなった場合、すぐに抜歯してインプラントにするという選択肢もありますが、私は可能な限りその歯を残す方向で治療を進めます。患者さんが「この歯ともう少しお付き合いしたい」と考えている限り、私はその意思を尊重し、最善の方法を模索します。この姿勢は当院の特色であり、患者さんとの信頼関係を築く上で欠かせない要素だと考えています。

患者さん主体の医療計画

　患者さんとのコミュニケーションも非常に大切にしています。特に初診時には、しっかりと主訴を聞き取り、その症状をいち早く改善するための治療計画を立てます。患者さんが抱える痛みや不快感を少しでも早く解消できるよう、必要に応じて治療スケジュールを柔軟に調整します。通常は治療間隔を空けて進めますが、場合によっては1週間で何度も治療することもあります。これは、患者さんの生活のお悩みをなるべく早く改善するために意識して取り組んでいます。患者さんのニーズを第一に考え、迅速かつ丁寧な対応を心がけています。スケジュールの他に治療方法も患者さんのキャラクターに合わせた対応をするよう心がけています。具体的には虫歯治療一つとってもドリルで削るのが苦手な方に向けてレーザー治療を選択肢に入れるなどして患者さんの要望に応えられるように準備しています。

最新技術も取り入れた治療

　当院では99年に開業して以来、大きな施設の改築こそ行なっていませんが、患者さんの利益になる設備は取り揃えてきました。例えば、セレックシステム(CEREC)を導入しており、患者さんの口腔内をスキャンし、3D画像を基にAIが詰め物や被せ物を設計します。これにより、午前中から作業を開始すれば、その日のうちに取り付けが完了することも可能になりました。従来であれば1週間ほどかかる工程を1日で完了できるので、患者さんにとって負担が少なく、大変好評です。また、このシステムは印象材を使用しないため、患者さんは印象剤独自の不快感も軽減され、更には技巧料も抑えられるというメリットがあります。患者さんから頂戴するの感謝の言葉が何よりの報酬で私の原動力になっています。

多種多様な治療内容を患者さんに提案する

　地域に密着したクリニックとして、当院には幅広い年齢層の患者さんが訪れます。その中でお悩みとしてよく挙がるのは歯槽膿漏や口臭に関してです。当院ではこれらに対する専門的な治療として『3DS治療（除菌療法）』を提供しています。口の中にいる菌はそれぞれ異なるのですが、その中で歯槽膿漏になりやすい方はそれになりやすい悪玉菌を口の中に多く保持しています。『3DS治療（除菌療法）』は歯槽膿漏の原因となる悪玉菌をリセットし、赤ちゃんのような状態に戻し、その上で善玉菌を植えます。そうすることで生活上ついてしまう歯石の質が変化します。『3DS治療（除菌療法）』がもたらす効果の具体例として、過去に歯槽膿漏で毎週通院していた患者さんが、この治療を受けた結果、今では半年に1回のメンテナンスで済むようになったケースもあります。その効果が長期的に続くことから、多くの患者さんに喜ばれています。ただ一点マイナスを挙げるとすれば歯槽膿漏の進行が進みすぎている場合は効果が薄いため、早期の処置が非常に重要です。また、『エステティックオーラルケア』も当院の人気メニューの一つです。これは、自費の歯石除去治療であり、一本一本丁寧に磨き上げることで、患者さんの歯を本来の輝きに戻すことができます。他にも、『ドックベストセメント』を用いた虫歯治療も提供しています。この方法は、歯を削らずに虫歯菌だけを殺菌できるため、削ることに抵抗のある患者さんや、多感なお子様に適しています。デメリットとしては、虫歯の黒ずみが残るため審美的には前歯などには向かないことがありますが、歯を守るという点では非常に有効な治療法です。

いつも通ってくださる地域の皆様へ

　私のモットーは「患者さんが望む治療を提供すること」です。患者さんが主体となり、治療方針を一緒に考えることで、より満足度の高い結果を得られると信じています。どのような治療が自分に適しているのか迷っている方や、他の医療機関での治療に疑問を持っている方には、セカンドオピニオンとしてご相談いただくことも可能です。私たちは常に、患者さんのニーズに応じた最善の治療を提供する準備を整えていますので、ぜひ一度ご来院ください。

※上記記事は2024年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。