田辺 由紀夫 院長(洋光台眼科クリニック)のインタビュー

洋光台眼科クリニック 田辺 由紀夫 院長

洋光台眼科クリニック 田辺 由紀夫 院長 YUKIO TANABE

日本大学医学部へ進学。同大学眼科学教室を経て1994年3月『洋光台眼科クリニック』を開設。2005年に現在の場所に移転し今に至る。

医師としての背景と開業経緯

 父親が眼科医として開業している環境で育ち、幼少期から父の仕事ぶりを見てきました。医学部時代には様々な専門分野が選択肢としてありましたが、眼科医を目指す情熱が強く、迷うことはありませんでした。また微細な作業が好きな性格も眼科医の特性として役に立つとも考えていました。大学を卒業した後、同じ大学の眼科学教室に勤めておりましたが、教授の引退を機に医院を離れました。当初は父の医院を継ぐ予定でしたが、結果的に自らの道を切り開き、独自に開業する道を選びました。偶然にも高校時代に習い事で通っていた洋光台の地で開業することとなりました。

患者への丁寧な対応と診療方針

 患者さんが納得して帰っていただけるように心がけています。丁寧な説明を心がけ、病気についても丁寧に情報をお伝えしています。病気が治らない場合もありますが、その状態に至った経緯を患者さんに理解してもらうことが重要だと考えています。一般的な病名である白内障や緑内障は知っている方も多いですが、実際にそれがどのような病気なのかを知っている方は多くありません。時には緊急性の高い病気であっても、忙しさにかまけて対応を遅らせてしまう患者さんもいらっしゃいます。患者さんが病気について深く理解していただけるよう努力しています。その結果として、患者さんにとって信頼できる医療環境を提供することを目指しています。

緑内障連絡カードと技術の活用

 医院では日本眼科医会が発行する緑内障連絡カードを積極的に活用しています。このカードを通じて、他の医療機関や薬局へ情報を効果的に伝えられます。また、現代社会において親から離れて暮らす家族が、親の病状を理解する手助けにもなります。眼科医は病状を把握できますが、子供が親の状態を完全に理解することは難しいため、このカードは大変有益です。さらに、薬局からの問い合わせも減少しています。眼科診療には最新の技術も欠かせません。OCT(光干渉断層計)という機器は、現代の眼科診療に不可欠なものと言っても過言ではありません。この機器を使うことで、患者さんの眼の状態をより詳細に把握し、適切な治療方針を立てることが可能になります。

 また、当院ではイラスト付きの各種説明書も配布しています。口頭での説明だけではなく、自宅でじっくりと見ていただくことで、患者さんが目や病気について理解できるように工夫しています。

予防と教育への取り組み

 お子様が来院される理由としてめやにや充血、怪我が多いと思います。これらの症状は目で見て判断できるものです。一方、目で見てもわからない問題もあります。3歳児検診が導入され、その検査結果、医院への受診を勧められることがあります。治療が必要なことはあり得るので面倒がらずに速やかに受信しましょう。また、スマホやタブレットなどのデジタル機器の利用に関しても慎重な管理が必要です。適切な時間に区切って使用することが大切です。幼少期から機器に慣れていくことは時代的に必要ですが、その管理は親御さんに求められます。集中して長時間遊ぶ場合は内斜視のリスクが高まります。症状が現れた場合は自己判断をせずに、速やかに医院を受診してください。

地域医療への貢献と医院の展望

 当院では往診を積極的に行っており、月に4〜5件の往診を実施しています。そのうち5割は老人ホーム等の施設、4割は以前から当院を受診されていた方々です。残りの1割は他の医院に通院が難しくなった患者さんや、医師会等、他の機関から紹介を受けた方々など、さまざまな経路を通じて依頼があります。超高齢化社会となり、往診の頻度や対象も変化してきています。この状況下で、定期的な訪問診療を通じて地域の方々の目の健康を維持するよう努めています。

 今後は医院自体のあり方についても考えなければなりません。私は「slow and steady(ゆっくり着実に)」という言葉を心に留め、地域の皆様に寄り添い、着実に貢献できる道を歩んでいきたいと考えています。

 

※上記記事は2023年12月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

洋光台眼科クリニック 田辺 由紀夫 院長

洋光台眼科クリニック田辺 由紀夫 院長 YUKIO TANABE

洋光台眼科クリニック 田辺 由紀夫 院長 YUKIO TANABE

  • 出身地: 神奈川県横浜市
  • 趣味・特技: カメラ
  • 好きな場所: 舞岡公園(横浜市戸塚区) 、景観がいい場所
  • 好きな音楽: ポピュラーミュージック
  • 好きな本: 渡辺淳一
  • 好きな言葉: slow and steady

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