アトリエ KOYUKI+ コユキ 店主 KOYUKI
2009年に『アトリエKOYUKI+』を開業。毎月4回オープン。(京浜急行「杉田」駅から徒歩約3分)
2009年に『アトリエKOYUKI+』を開業。毎月4回オープン。(京浜急行「杉田」駅から徒歩約3分)
小さい頃からモノづくりが好きでした。服飾の学校に進み、アパレルのお店に勤めていたのですが、結婚をしてお家に入ったんですね。でもやっぱり、モノづくりしかやりたいことがなくて(笑)。下の子が落ち着く頃から少しずつ暮らしのものや子どもたちのものを作っていくうちに、制作意欲がどんどん戻ってきて、フリーマーケットなどで出品するようになったんです。そのうち資材がすごく増えてきてしまい、「私の荷物はどこか別のところで」ということで古いアパートを借りました。2009年の夏ごろだったと思います。フリーマーケットが雨か何かで流れてしまったんです。その時、贔屓にしていただいていたお客様から「どこかで見れるところはありませんか?」と問われ、「よかったら見に行きますか。」とアトリエにお呼びしました。それが始まりでした。「いつか小さなお店をやれたら」。そんなことを思ってましたけども、続けていくうちに「私の作ったものだけで」という思いが強くなり、今のわがままなスタイルにたどり着いたんですね(笑)。
私と作家さん、5、6人がそろえた商品を前半と後半で分けて、月に4日オープンという感じでお店を開いています。暮らしの中で使う普段使いの袋物、バッグ、クロス。それからアクセサリーが人気です。お客様の中には作家さんがいらっしゃいますので、ボタンやアンティークのレース、テープなど、細々とした資材も置いています。
私の作るもののベースはモノトーンです。最近はかわいらしいテイストの世界観のある作家さんも加わってくださり、全体としては以前よりは少し色味が入った感じでしょうか。私自身も様々な作家さんの影響を受け、モノトーンに加え、大人女子が取り入れやすそうなチャレンジカラーも少しずつ増えてきました。
私と同世代の方がメインでしたが、最近はインスタなどで知っていただき、少し上のお姉さま方にもかわいがっていただけるようになりました。また20代の方もいらっしゃいますし、小さな赤ちゃんを連れたママさんもいらしてくださってます。アトリエ内には畳が残してあって、慣れてくるとちびっこたちは自分たちが持ってきたものでそこで遊んでいますね(笑)。少しお姉さんの女の子になると、お母さんと一緒に自分が使えるものをお買い物してくれています。それほど広くない空間で不思議と思われるかもしれませんが、多くのお客様が1時間から1時間半はここで過ごされていきます。何度も行ったり来たりして、丁寧に見て、選んでという感じで、合間合間のお話を私も楽しみにしています。
商品ではあるのですけども、自分が使いたいと思ったもの、かわいいと思ったものだけをお出ししています。こだわりとしては、レースの使い方やテープの位置、紐の色を変えたりと、同じシリーズのものであっても全く同じものにならないように工夫しています。私は天の邪鬼といいますか、人と違うものがいい、というタイプで、それがまた創作の原点でもあるんです。ですから、同じものを作らないというのは、ずっと変わらないこだわりかもしれません。基本的にインターネットでの販売はおこなっていません。やっぱり色味や質感、サイズ感は伝わりづらい面があると思うんですね。素材がリネンかコットンかで全く違うものになりますし、メインの黒の色味の違いが伝わりずらく、番手が違うとさわり心地も違ってきます。少し上のお姉さま方は、自分の好きなもの、気に入ったものだけを持って暮らしたいという想いを持たれている方が多い印象です。「今日はこの子を連れて帰って、次にまたこの子に会えたら、今度はこの子を」と、集めていく楽しさのようなものも見出してくださっています。実際に見て、さわって、選んで、気に入ったらお迎えいただく。非効率かもしれませんが、その選ぶ時間もちょっぴり贅沢な愉しみなのかもしれません。
手仕事のあたたかさ。それを感じていただけたらうれしいと思い、お店を続けてまいりました。限られたオープン日になりますけども、一期一会のような感じで、のぞいてみていただけたらと思います。どうぞお気軽にご利用ください。
※上記記事は2024年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
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